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山形県東根市の「まなびあテラス」市民ギャラリーにて、デジタルアートの展覧会『WOW「POPPO」展 ―郷土のつくる、みる、あそぶを体験する、デジタルアートの展覧会―』が開催されています。
仙台と東京、ロンドンに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ・WOW(ワウ)が、東北地方に伝わる郷土玩具の世界観をベースに最新の表現技術を加えて作り上げたデジタルアートは必見です!
WOW「POPPO」展では、「伝統的な世界観を現代の技術で表現するには?」「私たちが今、郷土玩具で遊ぶとしたら?」というテーマにもとづき、山形の郷土玩具をモチーフにした体験型の映像作品が展示されています。
〈ぽっぽの森〉のモチーフとなったのは、山形県米沢市に伝わる笹野一刀彫のひとつである木彫玩具「お鷹ぽっぽ」。「ぽっぽ」とはアイヌ語で「玩具」という意味。本展のタイトル「POPPO展」も、「お鷹ぽっぽ」に由来しています。
魔除けや禄高を増すものとして、古くから伝わってきたこの「お鷹ぽっぽ」。本作品では、壁面に木を模した磁石を積み上げるように貼ると、笹野一刀彫をモチーフとしたさまざまな鳥たちが山形の冬景色を自由に飛び回り、木の上に止まります。
こけしをモチーフとした作品〈YADORU〉は、フォトブースで顔写真を撮影すると、木彫りのこけしに体験者の顔がこけし風の絵柄で投影されます。こけしは顔が動いたり、胴体の絵柄がアニメーションしたりと、まるで体験者の分身となった魂がこけしに宿ったような、不思議な体験ができますよ。
3つめは、タッチディスプレイを用いてオリジナルの木工工芸を作ることができる作品〈ROKURO〉。ディスプレイに表示された原木に触れると、触れた箇所からろくろのように原木が削られていき、個性的な形の木工工芸が完成。最後にさまざまな絵付けが施され、壁面に投影されます。
身近にある郷土玩具がモチーフでありながら、新鮮な驚きと遊び心にあふれた作品ばかり。普段とは少し違った角度から郷土玩具の世界にふれることで、地域に伝わる文化の奥深さを再発見できそうです。
また、会期中のまなびあテラスでは「ひがしねWINTER FESTIVAL」も行なわれ、周辺が華やかなイルミネーションに包まれます。館内のカフェでシュトーレンやホットワインなどのクリスマス限定メニューが提供されるほか、ミニコンサートなども開催予定。不思議なアートを観賞したあとは、光輝くイルミネーションとともにクリスマスムードを楽しんでくださいね。
《イベント概要》
WOW「POPPO」展 ―郷土のつくる、みる、あそぶを体験する、デジタルアートの展覧会―
●会期:2017年12月1日(金)~12月25日(月)
●休館日:12月11日(月)
●開館時間:9:00~18:00(金・土曜は~20:00)
●会場:東根市公益文化施設 まなびあテラス 市民ギャラリー
●入場料:一般200円/18才未満と65歳以上100円/未就学児は無料(ただし保護者の同伴が必要)
●主催等:主催:まなびあテラス / 取材協力:梅木修一・梅木直美(蔵王こけし)、戸田寒風(笹野一刀彫) / 制作協力:NHKプラネット、アートエッグ、TIMBER COURT、高平大輔、手とてとテ、東北スタンダード、山中慎太郎 / キュレーション&グラフィックデザイン:kanabou
《出品作家》
WOW(ワウ)
東京と仙台、ロンドンに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ。CMやVIといった広告における多様な映像表現から、さまざまな展示スペースにおけるインスタレーション映像、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスのデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない、幅広いデザインワークを展開。
さらに最近では積極的にオリジナルのアート作品を制作し、国内外でインスタレーション展示を多数実施。作り手個人の感性を最大限に引き出しながら、ビジュアルデザインの社会的機能を果たすべく、映像の新しい可能性を追求し続けている。
WOWウェブサイト
http://www.w0w.co.jp
http://wowlab.net
2017年12月時点での情報です。