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宮城県・石巻を舞台に51日間に渡って繰り広げられる、アート・音楽・食の総合祭「Reborn-Art Festival 2017」が開催中です。
気になる!でも…どんなアートがあるのか、どんな風に回ったらいいのか、いざ出かけるとなると分からないことが多い…という人も多いはず。今回は「Reborn-Art Festival 2017」のアクセス方法やプランの立て方、おすすめアートスポットをご紹介します。プランニングの参考にしてみてくださいね。
JR仙台駅から電車で1時間~1時間半、「Reborn-Art Festival 2017」の会場となるのは、宮城県の北東部、石巻市です。太平洋に面した海辺の街で、その南西部には牡鹿(おしか)半島という半島が突き出しています。
石巻市街地から牡鹿半島の先端までは車で約1時間半。「Reborn-Art Festival 2017」では、この広い石巻のA~Dの4つのエリアに40以上ものアートスポットが点在しています。
エリアAは、石巻駅から約1kmの範囲に広がる「石巻市街地中心エリア」。そして、エリアBは、エリアAから続く4kmほどに広がる「石巻市街地周辺エリア」です。
エリアA、Bから少し離れて牡鹿半島の荻浜を中心とする「牡鹿半島中部エリア」がエリアC、さらに20kmほど離れたエリアDは牡鹿半島の先「牡鹿半島先端・鮎川エリア」となっています。
それぞれのエリアが離れているので、1日に何エリアも回るよりは、マイカーまたは公共交通機関でエリアを絞ってめぐるのがおすすめです。公共交通機関で各エリアへアクセスするなら、石巻駅前バス停から路線バス・石巻鮎川線(有料)に乗り、エリアCは桃浦バス停で、エリアDは牡鹿公民館前バス停で下車しましょう。
※エリアMAPはこちらから
「Reborn-Art Festival 2017」を訪れたら、まずはエリアAに2か所、エリアCに2か所、エリアDに1か所あるインフォメーションセンターでチケットを購入し、MAPをもらいます。チケットは、アート作品を鑑賞する際はもちろん、エリア内を無料で運行するリボーンアートバスを利用する際にも必要になります。
エリアAは徒歩でアートをめぐることができますが、エリアBまで足を延ばすなら石巻駅前、または中央三丁目からリボーンアートバスに乗りましょう。運行間隔は約75分。ひとつのアートスポットを鑑賞するのにちょうど良い時間です。
エリアC、D内の移動もエリア内のアート作品それぞれが離れて点在するので、リボーンアートバスの利用がおすすめです。マイカー利用の場合でも、桃浦、荻浜、のり浜のオフィシャル駐車場に車を停めたら、アートごとの駐車場はない場合があるので、エリア内の移動はリボーンアートバスを使いましょう。
マイカー利用の際に注意したいのが、牡鹿半島の先端、エリアDへ行く場合です。エリアDのオフィシャル駐車場はのり浜前にありますが、ここにインフォメーションセンターはありません。チケットはあらかじめ、石巻駅前のインフォメーションセンターで購入しておくとよいですよ。
約40組のアーティストが参加している「Reborn-Art Festival 2017」。アート作品をいくつかご紹介します。
まずは、エリアBに建つReborn Art House(旧石巻港湾病院)1階の『DE AU』(小林武史×WOW×DAISY BALOON作)。Reborn Art Houseは、ボランティアスタッフや参加アーティストが寝食を共にする拠点として作られた施設です。
そこに展示される作品は、実行委員長の小林武史さんいわく「芸術祭のエントランスみたいなもの」。天井と床、そして三方の壁が鏡張りで、銀色のバルーンが部屋いっぱいに整然と並んでいます。この幻想的な空間で約8分間、音楽と映像、光、そしてそれらに合わせ上下に浮遊するバルーンのインスタレーションを楽しめます。
こちらはエリアC、荻浜小学校の『います』(パルコキノシタ作)。廃校となった小学校の一室に石巻の木材だけを使って作られた高さ20cmほどの木像が並びます。その数は、現在2000体あまり。東日本大震災で亡くなった石巻の人の数、3,978人だけ木像を彫る現在進行形のプロジェクトです。
教室いっぱいの朴訥とした表情をした木像は、これほど多くの人がこの町で亡くなったという事実を表現しています。パルコキノシタさんは会期中もこの教室で木像を掘り続けています。
エリアDの牡鹿半島の先端、御番所公園にあるのは『真夜中に咲く花』(草間彌生作)。
御番所公園は対岸の島、金華山を見晴らす公園。太平洋を背景に鮮やかな花のオブジェが咲き誇ります。展望所からオブジェを見下ろせば、正面とは違った花の表情を楽しむことも。青くどこまでも広がる海と原色の花のコントラストが美しいフォトジェニックな作品です。
牡鹿半島の食も「Reborn-Art Festival 2017」の重要なテーマのひとつ。体現するのが2つのオフィシャルレストランです。
2つのオフィシャルレストランは、牡鹿半島中部、荻浜の牡鹿ビレッジにあります。ひとつは荻浜駐車場すぐそばの牡鹿半島の家庭の味をイメージした食堂「はまさいさい」。地元漁師の協力のもと、新鮮な魚介や地元野菜を使った定食や丼が1000~1500円とリーズナブルに提供されます。カキの養殖で有名な荻浜らしくカキを使った「カキーマカレー」も登場します。
もうひとつのレストランが、荻浜駐車場から10分ほど、海岸線の細い山路を歩いた先にある「Reborn-Art DINING」です。週末を中心に地産地消イタリアンの先駆けといわれるアルケッチャーノの奥田シェフなど、全国の有名シェフが牡鹿半島の豊かな食材を使って腕をふるいます。シェフイベントは予約制なので、気になるシェフがいたら早めの予約がおすすめです。
※予約は特設サイトから
平日も、石巻の魚介や鹿などジビエを使ったコースメニュー2900円~が堪能できます。鹿バーガーなどのテイクアウトメニューもあるので、ぜひ味わってみてくださいね。
「Reborn-Art DINING」のすぐそばには、メインヴィジュアルにも使われている『White Deer(Oshika)』(名和晃平作)も。見上げるほど大きい白く雄々しい鹿が、遠くの空を見つめ、石巻の海を背景に立つ姿を眺めながら食事を楽しめますよ。 会期中も日々新企画、新情報が飛び込んでくる「Reborn-Art Festival 2017」。「~51日間、毎日どこかで音楽が鳴っているプログラム~」が実施されています。会場のどこかで必ずフリーライブが開催されていたり、突発的なイベントがあったり…残りわずかな会期もまだまだ新イベントが発表、開催される予定です。エリアへのアクセス方法など基本を押さえたら、オフィシャルHPやFacebookで情報をチェックしてくださいね。新鮮な感動にあふれた夏を過ごすことができますよ。
2017年8月時点での情報です。