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杜の都を彩る夏の風物詩といえば、例年8月6~8日に開催される「仙台七夕まつり」。中心商店街を埋め尽くす色とりどりの豪華絢爛なくす玉や吹き流しが風に揺れる様子は、ため息の出る美しさです。
期間中はパレードやステージイベントなど、さまざまな催しが行なわれます。藩政時代に始まった伝統ある雅な夏祭りを、存分に楽しみましょう。
仙台で七夕まつりが盛んになったのは、仙台藩祖・伊達政宗公が城下の女性や子どもたちの文化向上を目的に、七夕を奨励したことに由来するといわれています。
伝統の飾り「七つ飾り」は、短冊、紙衣、折鶴、巾着などの7種類。それぞれに意味があり、学問や技芸の上達、延命長寿や厄除けなどの願いが込められています。
一時はすたれていた七夕まつりですが、戦後になって、商店街の有志の呼びかけにより豪華な竹飾りが並ぶ大規模な七夕まつりが復活。「仙台七夕まつり」は、いまや毎年200万人を超える見物客でにぎわう一大イベントとなりました。
くす玉に吹き流しが付いた竹飾りが5本並ぶのが、現在の「仙台七夕まつり」の飾り付けの基本です。「七つ飾り」も随所に見つけられるはず。
「仙台七夕まつり」の大きな特徴は、七夕飾りのほとんどが和紙や紙で作られていて、他の地域に多いビニールなどの素材はあまり見られないことです。さらさらと風に揺れる竹飾りは、とても上品で優雅な趣がありますよ。
また、商店街の歩道には、竹飾りを立てる専用の穴が常設されています。七夕にかける意気込みが伝わってきますね。
デザインや色彩などそれぞれに工夫を凝らした竹飾りは、事前に審査が行なわれ、優れた作品には金賞、銀賞、銅賞が贈られます。竹飾りに付けられた賞に注目しながら眺め歩くのもおすすめ。受賞作は、「なるほど、さすが!」と納得の出来栄えです。
昼間、青空のもとで眺める笹飾りもきれいですが、涼風が吹きはじめ夕闇が迫るころからが、「仙台七夕まつり」の本番です。見物客の人並みでにぎわう街を夕涼みをかねてそぞろ歩けば、祭り情緒も最高潮に。色とりどりの吹き流しだけでなく、糸繰り人形がのった「からくり七夕」もあるのでお見逃しなく。
歩き疲れてひと休みしたいときは「勾当台公園市民広場」へ。期間中は「おまつり広場」が開設され、さまざまなグルメやステージイベントなどを楽しむのがおすすめです。仙台名物の牛たんをはじめ、宮城のおいしいものがいろいろと味わえます。
七夕飾りが作れるワークショップのほか、野外音楽堂では無料の「夕涼みコンサート」も行なわれるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
「仙台七夕まつり」の前夜祭として、例年8月5日に開催されるのが「仙台七夕花火大会」です。華やかなスターマインや最大4号玉の豪快な打ち上げ花火が、杜の都の夜空を熱く焦がします。打ち上げ場所は、広瀬川沿いの西公園付近で、打ち上げ前にはライブイベントも行なわれます。
また、伊達政宗が眠る霊屋・瑞鳳殿がライトアップされる「瑞鳳殿七夕ナイト」も必見。参道や境内に1200本の竹灯籠が置かれ、真夏の夜の幻想的な風景が広がります。
東北の夏まつりのひとつとして知られる「仙台七夕まつり」。華やかな七夕飾りを眺めるだけでなく、グルメやイベントなど楽しみ方はいろいろ!杜の都の伝統の祭りを存分に楽しんでくださいね。
2017年7月時点での情報です。