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2020年6月、仙台市若林区にスイートポテト専門店「仙台いも工房 りるぽて」がオープンしました。地元で早くも話題と聞き、さっそく取材にうかがいました。今回は、お店を運営するボランティア団体「ReRoots」の活動とあわせて、「仙台いも工房 りるぽて」のスイートポテトをご紹介します。
若林区の沖野小学校すぐ近くにあるにあるスイートポテト専門店「仙台いも工房 りるぽて」。オレンジ色の大きな看板が目印の店内には、スイートポテトのほか、若林区内の農家から直送された野菜が並んでいます。
「仙台いも工房 りるぽて」を運営しているのは、若林区の農業復興を支援する学生主体のボランティア団体「ReRoots(リルーツ)」。東日本大震災で被災した、若林区沿岸部の農地を復旧するボランティアをきっかけに設立された団体です。復旧が進んだ現在は、農業の活性化や地元コミュニティの再生を目指して活動しています。
中学生以下を対象にした農業体験プロジェクト「おいもプロジェクト」も、その活動のひとつ。年3回の作業で、さつまいもや里芋の苗植えから収穫までを行ないます。
「ReRoots」では、技術指導をしてくれた地元農家の「生産したものを販売してこその農業だ」という言葉から、プロジェクトで収穫したさつまいもの商品化を決定。その際、閉店するという地元のスイートポテト専門店「仙台いも工房」から「技術と味を継承してほしい」と声がかかり、修業を始めることになったのです。
スイーツの製造から販売まですべてが未経験のなか、「仙台いも工房」から指導を受け約2年。地元の人々とのつながりから誕生したスイートポテトを看板商品に、「仙台いも工房 りるぽて」は2020年6月にようやくオープンしました。
名店の味を受け継いだスイートポテトをさっそく味わってみましょう。使うさつまいもは主に、ほくほくとして甘みのある「べにあずま」です。産地は日によって異なりますが、秋には「おいもプロジェクト」で収穫したさつまいもが使われます。
「仙台いも工房 りるぽて」のスイートポテトは、人工甘味料を加えないため、さつまいものやさしい甘みが特徴。さつまいものペーストに練り込まれたすりごまのほのかな香ばしさが、甘みを引き締めています。
「まるごとぽてと」は、その名の通り、さつまいもが丸ごと1本使われています。長さは約15cm、重さは300~350gととてもボリューミー。さつまいものペーストの下にさつまいもの皮と実を薄く残した部分があり、しっとりとホクホクの2つの食感を楽しめます。
皮を付けずに丸く成形した「いも5コロ」は、ふわりとやわらかく、口のなかで溶けていくような食感のスイートポテト。小腹を満たしたい時やお子さんのおやつにぴったりです。
地元の人々と学生ボランティアのつながりから生まれた「仙台いも工房 りるぽて」のスイートポテト。人と人との絆を象徴するようなやさしい味に触れてみませんか。
2020年8月時点での情報です