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昔ながらの風情が残る国分町の居酒屋。夕暮れ時に賑わいを増す稲荷小路に曲がると、大きく「阿古」と染め抜かれた紺のれんが、おいでおいでと誘う。
店内には、炭火の焼き場を囲むようにコの字型のカウンター席がある。名物は「カツオのタタキ」。注文が入ると、親方の百武さんが、わらの火でカツオを豪快に炙る。燃え盛る炎は、ときに親方の背丈ほどにもなって迫力満点だ。
できたてのカツオのタタキは、ねっとりした食感と炙りならではの香ばしさが野趣あふれる味わいだ。地酒中心に日本酒のラインナップも豊富。入手困難な酒が呑めることもあるので要チェックだ。
屋号の「阿古」は、釣り好きの主人が以前、足繁く通った三宅島の地名だそうだ。「通好み」「常連客多し」などとメディアに言われることもあって、敷居が高い入りにくい店かと思われがちだが、さにあらず。気さくで優しい主人と女将が切り盛りする店は、サービスがよくて居心地がいい。実は誰もが気軽に利用できる店なのだ。席数が限られるので予約がベターだが、決して要予約の店ではない。
昭和の雰囲気を残すレトロな店内で、目利きの親方がさばく旬の刺身や魚介の炭火焼きで一献。旨い肴と美味い酒、静かに流れる大人の時間が満喫できる。
2018年4月時点での情報です。