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岩沼、というより宮城県を代表するラーメン店。現在の場所に移転したのは2017年7月。駐車場に困らなくなり店も広くなったが、それでも相変わらず行列ができてしまう人気ぶりだ。さて、その旨さの秘密とは…?
まず食べるべきは、珠玉の淡麗系として不動の人気を誇る「醤油らーめん」だろう。かれこれ15年前、このラーメンに出会った俺は、それまでにはなかった未知の味に「ラーメンの新時代が来る」と欣喜雀躍した。
鶏ガラベースに煮干や節系のだしを組み合わせたスープは、今でこそ珍しくないが、鬼才・沼田勝久が作るラーメンは絶妙のバランスで、味のきらめきが他店とはひと味もふた味も違う。全粒粉を混ぜ小麦がほどよく香る自家製麺と、濁りのないピュアな魚介の風味のスープが奏でる比類なき一杯を存分に楽しもう。
リニューアルで客席も厨房も広くなった新店では、沼田店主の念願だった鶏100%のスープを使った「鶏だし醤油」、「鶏だし塩」がメニューに加わった。
厳選した親鳥など材料の調達に苦慮しながら紆余曲折の上に完成したスープは、深みのあるコクとくどさのない澄んだ味わいでまろやかな仕上がりだ。スライスレモンがさわやかな「鶏だし塩」も、ラーメン好きにはぜひ味わってもらいたい一杯である。
高いポテンシャルを持つ人気の行列店が、さらなる進化を目指すとき、そこにはいつも、通を納得させる驚きの味がある。きらめきの魚介、まろやかな鶏だし、宮城のラーメンの最先端を味わいにでかけてみてはいかがだろう。
2018年4月時点での情報です。