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昭和の懐かしい雰囲気が残る文化横丁。その一角に「餃子元祖」の看板を掲げる八仙がある。創業当時は大衆酒場だったが、先代が東京で修業をして仙台ではまだ珍しかった餃子をメインにするようになった。
今でも、仙台の餃子といったら「八仙」という仙台人は多い。「皮が薄いのにモチモチ感がある」と評判の餃子を目当てに、平日も休日もたくさんの客が訪れる。
定番の焼餃子は、ぱりぱりの皮の中に、肉汁たっぷりのあんが包まれたやさしい味わいが特徴。ちょうどよい小ぶりなサイズで、パクパクといくつでも食べられてしまう。1人で2人前が、仙台人の八仙での食べ方の基本だ。
中身に使う材料は、白菜、玉ねぎ、ニラ、県産豚にゴマ油と、いたってシンプル。焼き方のコツは、計算されつくした水の量。中まで火が通ると同時に水が蒸発しきるのがベストだ。これで旨い肉汁を余すところなく閉じ込めた絶妙の餃子が焼き上がる。
しかしながら、八仙で食べるべきは焼餃子だけではない。飴色になった皮の食感が通好みで、根強いファンを持つ蒸餃子、鶏ガラベースにごま油が香るあっさりスープで食べるつるりとした水餃子もあるのだ。通常、焼餃子、水餃子、蒸餃子を誰もが普通に食べている(はずだ)。
また、餃子の他にも食べ逃せない一品料理が並ぶ。あっさりとした食感で幅広い年齢層に受けている「カニ肉入り春巻」。「トマトと玉子のふんわり炒め」や「スーラータンメン」、「ニラモツ炒め」など、どれも食べてみたい一品ばかり。
となると当然のことながら餃子のほかに1~2品頼むことになる。我慢をせずに食べたいだけ食べ、満腹と満足を抱えて帰るのが文化横丁名物・八仙流なのである。
※2015年9月時点での情報です。