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「かつ丼」といえば真っ先に浮かぶのは卵とじである。
しかし山形県河北町に古くから伝わるかつ丼は、ソースかつ丼系の風貌をしつつ、なんとスパイシーなカレー味という、この町ならではのオリジナルである。その元祖が「といや」だ。
ここ数年「冷たい肉そば」で売り出し中の、山形県内陸に位置する小さな町・河北町。
「といや」は、この地で明治時代に創業、かつ丼は60年以上前に先代が考案した。試行錯誤の末に完成させたというこのメニュー、揚げたてのカツを秘伝のスパイシーなタレにくぐらせ、ご飯の上へ載せるというシンプルな調理が特徴だ。
とにもかくにも「秘伝のタレ」が重要なのである。衣から染みだしたタレが白いご飯にも絶妙な加減で浸透し、丼全体が幸せなカレー味に包まれている。スパイシーな香りが食欲をとことん刺激するのだ。
サクサクの衣に包まれた肉は、きめ細やかな肉質の庄内豚のロース。やわらかな食感が衣とマッチしており、ジューシーな味わいで最後のひと切れまで飽きることなく食べられる。
かつ丼であるからボリュームもそれなりにあるのだが、カレーマジックが存分に発揮されているからか、通常の盛りだと若干物足りなさを感じるかもしれない。それほどうまいのだ。かつ丼好きの諸兄には「大盛り」(150円増)をすすめる。
さらに、せっかく河北町に来たのだから、名物の冷たい肉そばとかつ丼の両方を味わいたい!という人も多いであろう。「といや」には「肉そば+ミニかつ丼セット」(1000円)という至福のセットも用意されているのでご安心あれ。
※2013年9月時点での情報です。