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冬、少々寒い日などは、なんというかこうパーッと体が温かくなる「辛いものでも」という気分になる。というわけで、担たん麺である。
普段、ついついあっさり醤油系ラーメンに目がいってしまうせいか、あまり担たん麺を食べることはないのだが、見つけたのである。仙台で大変おいしい担たん麺の店を。
仙台市のやや郊外、住宅地に佇む1軒の小さなラーメン店「かえん」。実はまったく知らなかっただけで、この店は20年以上も仙台でラーメン店をやっているのだそう。
さて、メニューを見ると、通常の担たん麺のほか、みそ、塩、黒ごまと合計4種もの担たん麺が並んでいる。ご主人曰く「いずれの味にも常連がいる」との話だが、初めて訪れる場合は王道の担たん麺を頼むのがよい。辛さは好みに応じて加減してもらえる。
出てきた担たん麺は、一見すると通常の担たん麺と特に差はない。しかし味わってみると、まずゴマの香りとコクが他店の担たん麺とは格段に違うのだ。
ゴマは炒ったあとに二度挽きして、ペースト状にしている。細かな粒子になった分、ゴマの密度は濃くなり、香りも強くなっているわけで、そのペーストを惜しげもなく大量に入れてしまう。う~むゼイタクである。
この道40年、長年担たん麺を作り続けたご主人が行き着いた理想の担たん麺にとって、大事なのは「ゴマ」と「ラー油」だそう。この2つがしっかりした店でないと、おいしい担たん麺は作れないとご主人は断言する。
「かえん」ではラー油も手作りである。油と一味唐辛子だけで作るので、シンプルといえばシンプルだが、すっきりとした辛さで、後を引かない。また、ゴマのペーストがほどよい粘度を出し麺とスープの絡みがよいのも、さすが。
ゴマ、ラー油、そしてややあっさりとした豚&鶏ガラのスープが組み合わさり、「かえん」の至極の担たん麺ができあがるのである。
※2013年6月時点での情報です。