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食材王国とも称される庄内地方の中核都市・酒田。ラーメン店の自家製麺比率が高く、魚介だしの効いたスープがバランスよく調和した酒田ラーメン。
そんな酒田でワンタンメンの名店といえば「満月」である。2010年に50周年を迎え、いまや全国からラーメンファンが訪れる人気ラーメン店だ。
客のほとんどが注文するという「ワンタンメン」は、数種類の煮干しと鶏ガラをベースにしたあっさり醤油味。丼にはチャーシュー、メンマ、ネギ、そして極薄のワンタンがたっぷりとのっている。
時間が経つにつれ極薄のワンタンにスープが染みこみ、味わいがより深くなる。ワンタンの薄さもさることながら、スープやワンタンとの相性を第一に考えて作る中細ストレート麺も特筆もの。
4種類の小麦粉を別々にかんすいや塩とブレンドし、4層に貼り合わせるという独特の製麺スタイル。プリプリとした歯ごたえとコシの強さが、ワンタンに負けない存在感を醸し出しているのだ。
新聞が透けて見えるほど薄いワンタン……と店主から聞いたので、実際にやってみると、見事に透けて見える!
この特製ワンタンは、1kgの生地を800mの長さまで伸ばす圧延作業で生み出される。絶妙な力加減で伸されたワンタンは、極薄ながらも箸で持ち上げても切れないほどのコシが自慢だ。
具はチャーシューの細切れをミックスした豚肉をスパイスで味つけ。スープに豚の旨みが溶け出し、コクをプラスしている。匠の域に達したワンタン製造技術があるからこそ完成した、極上のワンタンメンだ。
※2012年6月時点での情報です。