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厳しくも豊かな風土の東北の山間地で生まれた伝統こけし。子ども用の玩具として、温泉街のみやげ店で売られていたことから広まったといわれています。
東北には、地域ごとに11系統のこけしがあります。形や模様がさまざまで、こけし工人の手によって代々その伝統を受け継いできました。
実はこれまで、昭和15年頃の第1次、高度経済成長期の昭和40年頃の第2次に「こけしブーム」が起きており、当時は文豪や旦那衆などの男性の愛好者が多かったのだとか。今は第3次こけしブームの真っ最中。かわいくって、素朴で、愛らしい。そんな東北の伝統こけしに魅せられる若い女性達が増えているのだそう。
1本の木地から頭と胴体を作る、作り付け方式のこけし。頭はやや小さく、おかっぱ頭。胴にはねぶたのだるまや唐草模様が描かれています。
伝統的な南部系は、彩色が少なめのシンプルな姿が多いのが特徴。、首がゆるいはめ込み式なので、頭がくるくるとまわります。
宮城県にある5系統のこけしの中でも、代表格の存在。首を回すとキュッキュッと音が鳴ります。やさしい顔立ちで、胴体には菊模様が描かれます。
鳴子系から分化したといわれるこけし。素朴なたたずまいの顔は、ちょっぴり面長のらっきょう型。胴体が太く、着物模様が描かれています。
三日月形の目に、キュッと口角があがった口元が特徴的。大型のものは頭部に小豆を入れてあり、シャカシャカと音が鳴ります。
頭はやや小さめで、細めの胴が伝統的な形。土湯系のひとつに数えられる中ノ沢こけしは、目の回りの赤い彩色がユーモラス。
笑顔が愛嬌たっぷりのこけし、素敵な花模様をまとったこけし。「あ!よく見るとあのこけし、私にちょっと似ているかも…」
気になるこけしを見つけたら、現地の工房に足を運んで、こけしが作られる様子を実際に見てみては?こけしとの出会いを求めてめぐる東北の旅も楽しいかもしれません。
※2013年9月時点での情報です。