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「角館のお祭り」は、秋田県仙北市の角館地区で毎年9月7~9日に行なわれる伝統の祭りです。地元の鎮守である神明社と成就院薬師堂の神事として400年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
武家屋敷が残る静かな印象がある角館ですが、この祭りの時だけは様子が一変。特に祭りのクライマックス「やまぶっつけ」では、大きな曳山(山車)がぶつかり合い、激しいエネルギーがほとばしります。
「角館のお祭り」では、武者人形や歌舞伎人形をのせた17台の曳山が華やかに祭りを彩ります。各地区を曳き廻された曳山は、7日に神明社を参拝し、8日に武家屋敷通りを抜けて佐竹北家へ向かいます。
曳山には、笛・大太鼓・小太鼓・鼓・摺り鉦・三味線などで「お山囃子」を演奏する人たちが乗り、祭りの間ずっとお囃子を演奏。それに合わせて女性たちが手踊りを披露します。
「やまぶっつけ」は、曳山の進行との兼ね合いで行なわれます。通りで曳山同士が出合い、その際に道の優先権をかけて曳山が話し合うことを「交渉」といいます。交渉が決裂し、実力で通ることになると、いよいよ「やまぶっつけ」の場面に。祭りのクライマックスにふさわしく、曳き手もお囃子も最高潮に盛り上がります。
大きなかけ声とともに、2つの曳山が勢いよく激突!曳山の前方がのけぞるほどにぶつかり合い、このぶつかり合いが深夜にまで及ぶことも珍しくありません。いわば時間無制限の戦いです。
「やまぶっつけ」を観光客が気軽に見られるようにと、8日の日中には時間を決めて行なわれています。迫力の場面を、一度見に行ってみてはいかがでしょう。熱気あふれる伝統行事に心揺さぶられること必至です。
2019年8月時点での情報です。